みんなでつくろう!ノムオンソーム

何とも嬉しいことに、ロカブッス村のモデルファームで1番最初に種を下ろした黒ササゲが、収穫できるようになりました。

逞しく育つ黒ササゲ

日本では玄米と一緒に炊くと、最高に美味しいこの黒ササゲ。

さてカンボジアではどんなふうに食べようか?と思いながら市場をウロウロしていたら、あったのです。バナナの葉っぱに包まれた、ちまきのような食べ物に、黒ササゲが入っていました。

PCH2のスタッフに尋ねたところ、これは「ノムオンソーム」という食べ物で、カンボジアでは主にお正月やお盆の時につくって、神様へのお供えにするということでした。早速みんなでつくることになりました。

材料は、もち米と黒ササゲ、ヤシ砂糖、ココナツミルク、緑豆あん、バナナ、そしてこれらを包むバナナの葉です。

下準備中のもち米と黒ササゲ

女の子達はバナナの葉を採って適当な大きさに切る作業。男の子達はココナツの木からその実を落とし、中の果肉を専用の道具で削る作業に取りかかります。

豊富にあるバナナの葉は天然のラッピング材料
梯子と長い棒を使って、熟したヤシの実を落とす
中の果肉を削る
果肉を水と混ぜ、絞ったのがココナツミルク
ヤシ砂糖を溶かしたココナツミルクに、もち米、黒ササゲを合わせる

それを適量バナナの葉の上に広げ、具を載せ、またもち米を載せ、バナナの葉でくるくる巻いていきます。そして形を整えながら紐で縛っていくのです。

定番の具は、緑豆あんとバナナだとか。他に豚肉を入れる物もあるそうですが、今回は緑豆あんとバナナの2種類を作りました。

緑豆あんをもち米ではさみバナナの葉で巻いていく

もう40年近く前に中国雲南省を旅した時、少数民族の村で、黒米をバナナの葉で包んだちまきを食べたのを思い出しました。そしてそうです、宮崎のソールフード「あくまき」にも似ています。

皆でワイワイちまきを包む
昔は植物の繊維で縛った
30本のちまきを茹でる

薪で火を焚き、大きな鍋に入れて2時間茹でると出来上がりです。

できたての「ノムオンソーム」はほんのり甘く、ココナツミルクのこくと、バナナの葉の香りがする、とても優しい味でした。

つくり方を教えてくれた40代のスタッフは、手際良くちまきを包みながら、亡くなったおばあさんから引き継いだ味だと話してくれました。

収穫できた黒ササゲを活かしたくて教えて貰った「ノムオンソーム」。カンボジアの伝統的な食文化をみんなで体験できて、とても嬉しい一時でした。

高橋宏江