てのひらの実り(自然農のその後)

7月末に種を下ろした地雷ゼロ宮崎からの赤米、緑米の種籾は、見事に苗代ごと水没してしまいました。別の場所に水が流れるように排水の溝を掘りましたが、結局雨季の間中、田んぼ全体が水に浸かったままでした。

ガチガチの土で育った苗

それより一足先、7月初めに種下ろししていたラオスの赤米を、一段高くなった畑地に溜まっていた水を利用して急遽作ったミニ田んぼに植えたところ、それが育っていきました。

9月末には出穂し、10月初めに次々開花。

10月は1年で最も雨が多く、強風や豪雨もあったので、高さが私の胸のあたりまであるこの稲は、倒れてしまうものが多くありました。

日本の赤米のような芒は無い

それでも日に日に実を太らせていく姿が見られたのですが、今度はその実を狙って、鳥達がやってきました。

小さな田んぼなので、縦横に麻ヒモを張って防ごうとしましたが効果は無くほとんど彼らの食糧になってしまいました。

鳥達の勢いに惨敗

11月初め、収穫できたお米は両てのひらに余るほどしかありませんでした。

籾自体が赤色をしている

収穫はわずかでしたが、分けつの仕方も、穂の付きかたも、日本の稲とは違うラオス在来のお米の一生に、カンボジアの気候風土の中で寄り添うことができた貴重な体験になりました。

水問題や鳥被害などの課題をどうするか、地元の方達からも学び、次につなげて行こうと思います。

新しく作った田んぼ

高橋宏江