HOC岩田亮子さんにお会いして

バッタンバンには日本人女性の運営する孤児院がある。それを知って以前から是非訪問したいと願っていました。

岩田亮子さん。福岡県のご出身です。バッタンバンのノリア寺近くで、親の養育に恵まれない子供達のホーム、ホープオブチルドレン(HOC)を14年に渡り続けておられます。

初訪問のこの日、広い敷地内を岩田さんに案内して頂いた後、今日までの経緯を伺いました。

JALの客室乗務員だった岩田さんはその職を早期退職し、青年期から念願だった生き方を実現するため、まずはカンボジアの実情を知ろうと、2008年、バッタンバンを訪れたそうです。その時ノリア寺で内戦後の混乱で親を失った子や、エイズに感染した子供が数十人生活していたそうです。そしてこの子供達の母親代わりになることを決意されます。

その後、孤児院として建物を独立させ、ノリア寺のムニ僧侶と共に様々なご苦労をされながら今日まで歩んで来られました。

元気のいい子供達

現在はここで、7才から高校生まで、30数名の子供達が共同生活をしています。

更に7年前には子供達の職業訓練所として、バッタンバンの中心部にHOCカフェをオープンさせています。

HOCカフェの外観
質の高いメニューとサービスを提供している

お話をお聴きしている途中にも、学校やカフェから子供達が戻って来ます。そのひとりひとりに「お帰り!」と声をかけておられます。子供達は「りょっこ、ただいま!」と答えています。

「子供達といると毎日何かしら起きて、まるで戦争みたいなのよ」と微笑む岩田さん。

子どもや母子への福祉が未発達なカンボジアでは、国からの金銭、その他の援助は皆無だそうです。そのような中で多くの子供達を受け入れ、食べさせ、教育を受けさせ、共に将来を考えて寄り添っておられます。

バッタンバンの日本人を代表する存在でもある

岩田さんの小さなお身体のいったいどこからこのお力が沸いて来るのでしょう。もっともっと知りたくなりました。

私は何日か通い、お手伝いさせて頂きたいとお願いしました。お手伝いというよりHOC体験のお願いです。

岩田さんとHOCの子供達の毎日に潜入し、その様子を回を改めてお伝えします。

高橋宏江