何とおおらかな人達 その2

カンボジアでにわか生活者になって、毎日が驚くことばかりです。

時間への感覚、料理や洗濯の仕方、市場の物の売り方など、へえ、なるほど、から、ウソー?まさか?ギョエー!?までが次々あって、日本で当たり前になっている自分の価値観がガタガタと崩れて行きます。

市場の精肉売り場

例えばバイクは250cc以下なら免許が要らないそうです。中学生?と思う制服を着た女の子が、時には3人乗りで学校に入って行きます。家族4人乗りも珍しくありません。つまり交通ルールはあって無いようなもの。いったいこれは何車線なの?と思う道を、時には逆走して来る車やバイクもあって、私は自転車でこの渦の中に迷い込み、始終あたふたしています。

大通りは命がけ

けれども郷に入れば郷に従え、カンボジアはこれで成り立っているのですから、受け入れざるを得ません。

交通事情に限らずとにかく何でもあり、全ては自己責任。良く言えば寛容な、悪く言えば大雑把な国だなーと感じます。

日本のあまりにも何もかもきっちりとした社会にどこか馴染めない私は、むしろしっくりくることもあります。

でもこれだけはやっぱり良くない、と強く思うのがゴミへの意識です。ひと昔前まではおやつにバナナとか、木の実とか、ポイ捨てしても自然に還るものしか食べていなかったことが影響しているといいます。その感覚で、今では日常食になった袋菓子の空き袋やペットボトル、食べ残しが入ったままの発泡スチロールのパック、レジ袋などがあちこちに落ちています。

美しい景観も台無し

ゴミ回収のシステムはあるそうですが、分別の習慣が無いこともあって、日本のようには機能していないようです。高温多湿の気候ですから、衛生面でも、当然環境の面からも、大きな問題です。

経済成長がこれだけ著しい国で、ゴミへの意識が変わっていかないのは残念でなりません。でもある日系の情報紙の調査によると、多くのカンボシア人はゴミを分別してきちんと処理した方が良いことを、分かっているという結果が出ていました。

分かってはいるけど、「まっ、いいか、」となってしまう、これもまたおおらかな人達、なのでしょう・・・。

高橋宏江