カンボジアのゴミに挑む
「前から気になっていたのよね。これからやろうかしら。」ある日、亮子さんが言いました。HOCカフェの入り口近くの空き地が、ゴミ置き場のようになっているというのです。
「やろう、やろう!」すぐに自転車をこぎ出す子供達。私は置いて行かれないように必死で付いて行きました。
確かに、これはひどい‥。
カンボジアに来て、豊かに実る果物や、見たこともない熱帯の花の美しさに感嘆していました。でもそれとは反対に、全くもって閉口していたのが、あちこちで目にするゴミの惨状です。
この場所はまた、特に悲惨な状況。
これを片付けるの?と初めは怖じけづきました。
でも子供達はマスクと手袋をして直ぐに取りかかっています。
大人の私がたじろいでどうする!とにかく大きな米の空き袋に、ゴミを拾っては詰めて行きます。ゴミですから、生活から出るあらゆる物がわんさかわんさか混じっています。汚い、なんて物ではありません。にもかかわらず、子供達、文句も言わず、最後までやりました。なんと言う子供達でしょうか!
余りの膨大さに、1日だけでは終わらず、日を置いて2回やりました。
そしてご覧の通り、見事にゴミ退治、大成功です。
途中、何枚かのゴミの袋を提供してれた人や、ペットボトルの水を差し入れて、無名で去って行った人がいました。
滞在するPCH2のスタッフが駆けつけてくれたのも、嬉しいことでした。
1人じゃ太刀打ちできないけど、みんなでやれば100人力。そしてきれいになった気持ち良さも分かち合える。
焼石に水、と言われればその通りです。だけどだけど、大河の水も一滴から、とも言うではありませんか。
何よりも、「自分が動くことで何かが変わる」しかも、「私は1人ではない」のです。
HOCの子供達としたこの経験は、私にとても大切なことを、実感として教えてくれました。
高橋宏江