歳月の重み

今年も地雷ゼロ宮崎からの寄付金を、カンボジアの4つの団体に届けることができました。

プノンペンにある義手義足工場(Exceed)と車椅子工房へは、江角さんが届けて下さいました。江角さんの報告をお伝えします。

Exceedではクメールの正月が明けたばかりでしたが、スタディツアーの頃からお世話になっている古株のスタッフが迎えてくれたそうです。

大きな変化としてはこれまでの管轄が、社会福祉省から保健省に変わることが議会で決まったことや、富裕層向けに高度な義肢装具の販売先ができたことなどがあるそうです。また併設の技術者養成学校に来ているミャンマーからの留学生が、軍人政権になった影響で帰国できなかったり、帰国した卒業生に仕事がなかったりしているそうです。

車椅子工房では新たにWHOからのファンドで大きな注文があり、6人のスタッフに熟練の職人を4人増やして対応しているそうです。また自前の資金ではコンポート州など、これまでは車椅子が手に入りにくかった地方のニーズにも対応しているそうです。

冷房の無い仕事場での作業に、昨年の地雷ゼロ宮崎からの寄付金で購入した冷水機が、大変助かっていると言われていたそうです。

バッタンバンに事務所がある地雷撤去団体、MAGには、私も同行しました。昨年創設30周年を迎えたイギリスに本部があるNGOです。

現在は主にサムロート郡や、その南地域の地雷撤去に加え、ラタナキリの不発弾除去を1チーム13人、13グループで進めているそうです。

連日の猛暑の中、プロテクターを付けての危険を伴う現場には、どれほどのご苦労があることか、想像するに余りあります。

未だに活動のお終わりは見えない

私が滞在しているピースルフルドレンホームのマネージャーにも、寄付金をお渡ししました。

現在は10名の子供達の大学卒業までの教育支援をしており、その内5名が生活をともにしています。(内18歳以下は2名)

内戦後の混乱で家や親を失った子供達が、一時は100人近くも居たというPCH。延べにすると、相当の子供達がここで生活していました。

マネージャーのチュム・ヴーク氏は、PCHの卒業生でもある

日本と比べると未だに社会福祉やセーフティネットが未熟なカンボジアではあるものの、経済の発展と共に、この孤児院としての役割は形を変えようとしているのでしょう。都市と地方の格差や、大人達の拝金主義がもたらす影響など、新たな課題に子供達は晒されているですが。

地雷ゼロ宮崎はこれまでの23年間、これらの団体に欠かすことなく寄付金を届けてきました。

この間にカンボジアは大きく変化してきました。この変化に、物心両面から幾ばくかの力を添えたことは、この4つの団体の今日のあり方からも、間違いのないことです。

高橋宏江