その後の自然農(カンボジア2年目の米づくり)
こちらで再挑戦になるお米の種下ろしを始めたのは今年5月。江戸時代から引き継がれて来たというホマシという品種と、自然農の先駆者、福岡正信氏由来のハッピーヒルという品種、そしてラオスの赤米です。
しかし、発芽は思わしくなく、2度3度と蒔き直しをしました。水やりをしながら何とか育ったわずかな苗を、7月に田植えしました。

カンボジアで一般的に栽培されているお米にも挑戦。蒔いてみると順調に発芽し、育苗して田植えをしただけでなく、直蒔きを試すこともできました。現在のカンボジアでは1枚が何ヘクタールもある大きな田んぼで、直まきでの稲作がほとんどです。



しかし田植え後の7月8月は雨が少なく、すぐ近くにある溜め池の水も水位が上がりません。水道からの井戸水をホースで冠水する毎日でしたが、この水も保水が続くのは短時間で、すぐに抜けてしまいます。田んぼというよりは陸稲という状態でした。

結果、分けつはわずかなまま、日本のお米であるホマシとハッピーヒルは早々に出穂してしまいました。これには積算温度や積算日照など、稲の生理が関係しているのでしょう。
一方、ラオスの赤米とカンボジアのお米は上へ上へと背丈を伸ばし、10月初めの今、私の胸から首の辺りまで伸びています。一株の分けつは10本から12本程。これは田植えした分の数字で、直まきした分はそこまで増えていません。



9月には時々スコールの雨が降り、曇りの日も多くなりました。それでも、溜まった水がそのまま保たれるほどは降りません。
昨年の今ごろは深水になりすぎて排水の為の水路堀りに苦心したというのに、今年はまだまだ雨が降って欲しいところです。

これから出穂を迎え開花が始まる時に水が十分でないと、結実に影響が出る恐れがあります。
太陽と雨の恵みを受けて、刻々と命の営みを展開する稲達の姿を見守っている現在です。
高橋宏江