手仕事の喜び

今、テラ・ルネッサンスの現地職員イエットが、カンボジアの伝統的な方法でござを編む、そのお手伝いをしています。

今ではカンボシアでも、生活用品は安価なプラスチック製品がほとんどです。

私も暑くて眠れない夜にベットに敷くござを購入しようと探しましたが、ビニール製ばかりで、日本のい草を使ったようなござは手に入りませんでした。

イエットのござの素材になるのは、2種類の自生植物です。

採取した草を乾燥させ、この道具で縒り、強い糸にする。
作り貯めた草の糸が天井から吊るしてあった。これが縦糸になる。
ござを織って行く準備の段階。場所はテラ・ルネ事務所の庭にある作業小屋。

縦の草糸が張られたところ
横糸になるのはこちら。稲科植物の茎である。洗って乾燥済み。
竹の棒の先に横糸になる茎を引っかけて縦の草糸の間を通し、竹の棒だけ引き抜く

横に茎を通したら、機織りの原理と同じように縦の草糸を上下させ、次の横茎を通す。

2人で息を合わせこれを繰り返していく
制作途中
素材が用意できていたので、2人でおよそ1日で編むことができた。

カンボシアで伝えられて来た、野生の植物でござを作る知恵。

イエットはお姉さん達から教えて貰ったそうです。

自然の恵みを頂いて、自分の手から美しい生活道具を生み出す喜びを、からだ中で味わっています。

高橋宏江