広がるオーガニックフード blog24

ロカブッス村のモデルファームは、日々変化を続けています。

それと平行し、テラ・ルネサンスはいくつかのオーガニック食品を手がけています。

昨年は豊作で、売値が暴落したマンゴー。支援家族からその一部を買い取り、現地スタッフが伝統的な方法でドライマンゴーを作りました。素朴な甘味が後を引きます。

村の名前にもなっているロカの花のマーク入りパッケージで販売中

更にこの前は淡水魚を仕入れ、村人達と共同作業で、プロホックという魚の塩漬けを作っていました。

このプロホック、カンボジアでも最近の若い人は独特な臭いが苦手、という人も多いそうですが、調味料として料理に使ったり、生野菜をデイップして食べたり、カンボジア料理には欠かせない伝統食品です。ちょうど日本の味噌やしょう油のような存在でしょうか。味は塩辛に似ています。

この日は村のお母さん達が包丁とまな板を持参、子供達も連れて集まっていました。

手間のかかるウロコと内臓を取る作業が手際よく進んでいきます。それでも3時間近くかかったでしょうか。何度か水を代えてきれいに洗い、塩をまぶして容器に詰めて行きます。

トレサップ湖周辺の淡水魚はおよそ200キロ分
子供達もお母さんのやることを見て学んでいる

魚の種類や塩の量、漬け込み時間によって様々なタイプのプロホックがあるそうです。気温の高いカンホジアで、この季節だけ捕れる魚を長期間保存して食べる知恵は、とても興味深いものでした。

時間とともに深い味わいが醸し出される。科学調味料は必要ない。

これまでスタッフと泊まりがけでモデルファームに行く時は、近くの街の食堂で食事をしていたのですが、最近はファームの野菜と、こうした手作りのプロホックを使って、農園スタッフが料理をしてくれています。新鮮で美味しくて安心な食事は、心身に染み渡り、何より満足感が違います。

ファームの野菜でスタッフの食事を料理する
茶色のペースト状の物が以前に作ってあったプロホック。何種類もの新鮮な野菜と共に頂いた。

残念なことに現在のカンボジアでは、このような内容の食事はなかなかできません。

これから先、ファームの野菜の種類と収穫量が増えて行き、このドライマンゴーやプロホックのような食品と共に多くの人達に広がって行ったら、どんなに良いでしょう。

高橋宏江