モデルファームに吹く風
およそ半年ぶりに訪れたロカブッス村のモデルファームは、色んな変化が起きていました。
前回は乾季の最後の時期だったこともあって、カラカラでガチガチのイメージが強烈でしたが、雨季を経て、今回はトマトや唐辛子、ねぎ、バジルなどの香草や緑豆が育っていました。雨季の雨で水に浸かったと聞いていましたが、幸いにも、大きな被害にはならなかった様子です。

そして半年前にはなかった、新たな風が吹いていました。大分の高校生との共同プロジェクトで、コンポストがつくられていたり、村の若いメンバーが2名、新たに加わっていたのです。
この若いメンバーのひとりは、ふだんはオンラインで授業を受けているロカブッス村の大学生です。今、ファームの活動の意味やマネジメント、経理を学び、農作業にも参加しています。



溜め池を掘るところから、科学肥料、農薬を使わずに、主に人力と有機堆肥、伝統的な薬草の知恵を使った発酵液で、ここまでの農地にするのには大変なご苦労があったことでしょう。
より豊潤な大地をめざして、更にはそこでの生産物を販売して収入が生み出されるところまで、テラ・ルネッサンスの飽くなき挑戦が続いています。





このような価値を内包した活動が若い世代に共有され、伝えられることは、ロカブツス村だけでなく、カンホジアの将来にも影響していくことでしょう。
この何日かファームの皆さんと共に汗を流し、先生の授業を受けて、皆さんの真剣な挑戦の姿に心を打たれました。
一画をお借りして、私も自然農の試みを始めます。
この場所で自然農に取り組めることに誇りをもち、私にできる精一杯のことをやりたいと思います。

高橋宏江