ロカブッス村の今

ロカブッス村はバッタンバンから西へ約100キロ。この辺りは最後までポルポト派が抵抗を続けた地域に近く、沢山の地雷がありました。今でも撤去が完全かどうかが分からない土地ですが、障害者や貧困層の人達が多く暮らしています。テラ・ルネッサンスは2008年から支援を続けています。

赤土の平原にポツンと建つ小学校の子供達と8年前に遊んだ時間は、私の宝物の一つでした。

平原に建つ村の小学校

カラカラに乾いたこの小学校の敷地近くの土地に、今では溜め池が掘られ、花が咲き、針なし蜜蜂が集う場所が作られています。畑の土はまだまだ固く豊潤とは言えないものの、レモングラスやネギ、ヘチマ、クロササゲ、ミニトマトなどが育つモデルファームもつくられています。

蜜源となる花畑
水があれば畑ができる
モデルファーム
暑い中の農作業

それだけではありません。それぞれの支援家族には現金収入になる牛やヤギ、豚、鶏、針なし蜜蜂の巣箱が貸し出され、繁殖や飼育、病気への対応をテラルネッサンスがきめ細かく手助けしているのです。

支援家庭の養蜂巣箱を確認するスタッフ
巣箱の中
発酵液を混ぜた水で健康に育つ動物達
自然にある何種類かの植物から発酵液を作る現地スタッフ
テラルネのフォローをきっかけに、自分で家畜飼育を広げて行く人もいる。これはウズラを飼い始めた地雷被害者

今回現地スタッフの支援家族訪問に同行するという、貴重な経験をさせて頂きました。

支援家族はそれぞれの事情をかかえていて、彼らが自立していく道のりに寄り添うのは、簡単なことではないことがよく分かりました。けれども確実に成果はでており、皆さんの生活が良くなっていることが、現地スタッフ達を迎えるその表情から受け取ることができました。

プノンペンで起きている変化とは全く違いますが、今、この土地でも静かな改革が起きているのです。

高橋宏江